マーケティングの関連書籍は沢山ありますよね。
マーケティングというカテゴリ自体が幅広すぎてどれを読んだらいいか分からないという方も多いと思います。
今回はそんな人たちに向けて、マーケティング入門書の中でもダントツに分かりやすい佐藤義典氏の本『ドリルを売るには穴を売れ』をご紹介します。
この本をしっかり理解することで、以下のようなメリットがあると思うので最後まで御覧ください。(てか本を読んでください)
- マーケティングで最低限知っておきたい「4つの理論」が分かる
- ストーリーで超カンタンにマーケティングの全体像を理解できる
- 上手くいかない時は、どこが違うのか考えられるようになる
- お客様から見て買いたくなる商売設計の考え方が身につく
ドリルを売るには穴を売れ!の要約
難しい教科書的な本ではなく、ストーリー主体でマーケティングで知っておくべき「4つの理論」が分かりやすく学べる入門書です。
難しい理論は沢山ありますが、実はどれもこの4つの理論が大枠で、理解しておけば「あぁ、いまココの話ね」と全体像をつかむことができるはずです。
ざっくりストーリーのあらすじ&本の概要はこんな感じです。
閉店寸前のレストランの再建を任された新人マーケターの売多真子が、マーケティングコンサルタント売多勝に教わり、悪戦苦闘しながらも仲間とコンセプトを考え、形にして、人気のレストランに復活させるストーリー本。1部ごとに、本書で紹介する4つの理論解説しており、物語の合間に筆者の解説ページも含まれている。ストーリーだけでも普通に楽しめる一冊。
難しくない!4つの理論だけ!
この本に書かれている「マーケティングを行う上で最低限知っておくべき4つの理論」とはこの4つです。
- ベネフィット(お客様にとっての価値)
- セグメンテーション・ターゲティング(顧客の特定)
- 差別化(競合よりも高い価値を提供する)
- 4P(売り物・売り値・売り場・売り方)

世の中には、Webやリアル関わらず、商品、価格、流通や顧客接点、広告・宣伝に関わる数多くのマーケティング施策・テクニック・方法論があります。
そのいずれにも関係する、めちゃくちゃ基礎的な要素になります。

ちなみに、基礎というのは「入門」という意味だけではなく、国語や算数と同じで「土台」という意味がありますよね。
マーケティングの基礎も同じで、どんなマーケティング活動でも知らないと失敗しちゃうくらい重要な内容です。では、1つずつ見て行きましょう!
1. ベネフィット(お客様にとっての価値)
1つ目は『ベネフィット』と呼ばれるものです。

お客様は、革の丈夫なバッグが欲しい訳じゃなく、それに手にすることで得られる多くの価値を買っています。マーケティングを考える上で一番中核になるのがこの「お客様にとっての価値」であるベネフィットです。
ちなみに、ベネフィットという言葉が難しかったら、商品・サービスを買って得られる「嬉しいこと」くらいの理解でも問題ありません。
さてさて、いきなり「禅問答」のようですが、お客様が買っているのは実は「商品」ではなく「商品に付随する価値」を買っているという考え方です。
まったく意味不明ですね。ちょっと例を出します。
iPhoneは、言うてしまえば、ただの半導体の塊ですが、お客さんは別に半導体が欲しいのではなく、iPhoneを使った便利さや楽しさを価値として買っているのです。
商品・サービスを買って得られる「嬉しいこと」は、大きく3つに分かれます。商品・サービスを買って得られる「嬉しいこと」は、大きく3つに分かれます。iPhoneに例えるなら、この3つを多く、高いレベルで複数満たしているので、多少高くても多くの人が買うわけです。
- 機能的価値:軽い、簡単、便利
- 情緒的価値:感動、楽しい
- 自己表現的価値:イケてるように見える(ステータス性)
みたいな感じです。
このベネフィットの考え方について、もっと詳しく知りたい方は、【簡単】ベネフィットとメリットの違い!事例で分かりやすく解説!という記事で詳しく解説しているので、おすすめです。
2. セグメンテーション・ターゲティング
2つ目は、セグメンテーションとターゲティングです。
端的に言えば万人に共通するニーズは存在しないという話です。

ちなみに、超ざっくり言うとニーズというのは「需要」「お金を出してほしいと思う気持ち」程度の理解で大丈夫です。そのニーズがあるから欲しくなって、それを手にすることでベネフィットに繋がるということです。
セグメンテーション→ターゲティングについて詳しく知りたい方は、【図解&事例】マーケティングでターゲティングする3つの意味を分かりやすく解説という記事で詳しく解説しているので、おすすめです。
3. 差別化(選ばれる理由作り)
3つ目は、同じ商品・サービスを提供するライバルではなく、あなたが選ばれる理由をつくろうという話です。
自分と同じような商品を売っていたり、商品は違っても同じような課題解決・欲求充足が出来る商品が沢山ありますよね。
そんな中で、お客様が別の選択肢ではなく、あなたの商品を選ぶ理由になるPOINTのことを言います。

で、コレ冗談みたいですが・・・
基本的にどんな業種でも、お客様から選んでもらう理由を作るための差別化の方向性・パターンは以下の3つしかありません。
- 手軽軸:同じような商品を安く、手軽に商品を提供
- 商品軸:高品質や最新技術など商品そのもので差別化
- 密着軸:行きつけ、好みを理解してくれている
この3つのどこかで、
すんごいトンガることが出来れば「他の商品より、こっちの方がいい」と思っていただく理由をつくることができます。
どんな業種でも…と言ったとおり、あらゆる業界でもそういった棲み分けがされています。
例👇

こちらの3つの差別化の考え方について詳しく知りたい方は、【簡単】差別化を図る方法は3種類だけ?正しい意味と各業種の事例という記事で詳しく解説しているので、おすすめです。
4. 4P(商品・価格・販路・広報)
ここまでの流れで、
①お客様に提供する価値(ベネフィット)を決め、
②それを欲しがる人は誰か(ターゲット)を決め、
➂どのように選ぶ理由(差別化)をつくるかを決めることができます。
でも、まだそれはカタチのない概念の状態です。
これをお客様が買ったり使ったりできる状態に落とし込んでいく必要があります。
そんなわけで
最後の4つ目でこれを見えるカタチに具現化して、お客様に届ける4P(マーケティング・ミックス)が必要があります
別の言い方をすれば、お客様に価値を提供する為にやるべきことのパターンとも言えますが、それがこの4つの「P」と呼ばれるものです。

- Product(製品・サービス)
- Price(価格)
- Promotion(宣伝広告・売り方)
- Place(売場・アクセス)
商品作りもホームページもSNSもキャッチコピーも広告も接客も営業もデザインもお客様に向けた「すべての活動」はココの段階の話です。
大切なのは、この4つが差別化の軸に沿ってすべて同じ方向を向いていることです。
例えば、商品軸の高級店が「安売りクーポン」を配ったり「気安い接客」をしないのも、「安いデザインのサイト」を作らないのも、差別化軸と一致した4Pを行っているためです。
こちらの4P(=マーケティング・ミックス)について詳しく知りたい方は、【図解】4P分析・マーケティングミックスの必要性・事例を分かりやすく解説という記事で詳しく解説しているので、おすすめです。
もっとすごい続編!売れる会社のすごい仕組み!
ということで、ここまで「マーケティングを行う上で最低限知っておくべき4つの理論」をご紹介してきました。
ここを完璧に理解できれば、デジタルマーケティングでもWebマーケティングでもアナログマーケティングでもなんでも基礎的な考え方ができている状態になります。
そして、ここでお知らせです。
実は、この「ドリルが売るには穴を売れ」には続編があります。
今回の内容は、いわば全体の構造の話。さらに具体的にどのように考えて実現していくのか?ということを、同じくイタリアンレストランを立て直すストーリー仕立てで学べる一冊です。
個人的には断トツ1番の入門書です。そっちも気になる方はこちらからどうぞ~
この記事のまとめ
4つの内容を紹介してきましたが、ちょっと「難しそう…!!!」と思ったかもしれません。
それは、僕のレベル不足です。
書籍の方では、潰れかけのイタリアンレストランを立て直すストーリーで4つの理論がストーリーの中で解説されており、非常に楽しくこの記事の10倍~38倍(当社比…しらんけど)で学ぶことができます。
専門用語は最低限であり、中学生・高校生でも余裕で読み切れるくらい読みやすい名著です。まだ、読んだことないという方は、是非読んでみてくださいね。

動画でも動く図解でより分かりやすく解説しているので、併せて参考にどうぞ!