A:1人の優秀なマーケターがいる組織
B:全員が「マーケティングの基礎教養」をもっている組織
成果が出るのはどちらでしょうか?
もしかしたら、短期的には1人の優秀なマーケターが組織をけん引する方が良いかもしれません。
しかし、長期的・持続的に成果が出るのは後者だと思います。
マーケティングというのは、経営者やマーケティング部署だけが知っていれば良いものではなく、組織全体で行うものだからです。
そんな前提のもと、今回は小さな会社でも勝てる!少数精鋭のマーケティング志向な組織作りに必要な2つのポイントを解説しています。数値目標をつくる・・・みたいな話ではなく、もっともっとそれ以前のお話です。
考える仕事と実行する仕事
業種や事業規模に問わず、マーケティング活動というのは・・・
- 『理念(想い)』
- 『戦略(考え方)』
- 『戦術(やり方)』
・・・というように上から下に流れていきます。
理念に沿った戦略を立て、
戦略に沿った戦術を行うことで、
組織のベクトルが揃い、はじめて相乗効果が生まれます。
図解にするとピラミッドの頂点から下に広がっていくようなこんなイメージです。

一般的に、1段目・2段目までの経営理念から戦略構築の考える仕事は「経営者の仕事」と言えます。
そして、その戦略をもとに現場で実行する仕事は「現場の社員」の仕事と言えるでしょう。
もちろん、事業規模によっては経営者が第一線で業務を行う場合も多々ありますので、ここではあくまでも「役割」の話として捉えてください。
現場の社員が戦略を実行する!
考える仕事・・・戦略というものを簡単に定義すると、経営資源<ヒト・カネ・モノ・時間・情報など>の分配です。
もっとカンタンに言うと、目的を達成するために、どこに力を入れて、どこを捨てるのかという判断の指針を作るのが戦略です。

例えば、ターゲット顧客を絞るという考え方も戦略の1つです。
戦略と経営資源の話については、【図解】戦略的思考とは何か?意味・事例を森岡毅氏の本から分かりやすく紹介という記事で図解で分かりやすく解説しているので、ご興味があればどうぞ。
話を戻して、作られた戦略を戦術に落とし込み形にしていくのは誰かと言えば、多くの場合は現場の社員だったりするわけです。
だから、経営者やマーケティング部といった一部の人だけがマーケティングを知っていても意味がないのです。
逆に、全員が“マーケティングの基礎教養”を持てば、日常業務が変わります。
・営業が「この提案、ちゃんと価値伝わるかな?」と自問する
・事務が「これ、ユーザーにとってわかりやすいかな?」と配慮する
・経理が「この価格設定、どう見えるだろう?」と考える
・・・みたいな。
つまり、すべての判断が「顧客視点」「価値提供」に向かい、組織全体がマーケティング的になるということです。

だったら、どうすりゃいいのか?
ここから先は「ソフト面」と「ハード面」の2つのポイントを順番にご紹介していきます。結構、あるある!と思ってもらえると思います!
ソフト面の整備
ソフト面というのは、
簡単に言うと社員のマーケティング・マインド(考え方や心構え)のことを指します。
既に多くの研修現場では、新人研修・若手研修でマーケティングを学ぶ機会が増えてきているようです。少しググれば、多くのマーケティング研修サービスがヒットすることでしょう。
特に若手社員向けのマーケティングの基礎的な考え方を学ぶような研修も増えてきている印象です。(別にデータはないけど)
マーケティング研修が役に立つか?
こんなこと言うてる僕も、起業してからはもちろん、、、会社員の時代にも何度かマーケティング研修を受けたりしました。
- マーケティングとは何か?
- 市場環境分析がどうのこうの
- ターゲットやペルソナ
- ニーズや顧客調査
- 4P・マーケティングミックス
・・・みたいなあれです。
1回1人5~6万円するよう研修もありましたが、それが組織内で役に立ったかどうか言われたら、ぶっちゃけ申し訳ないけど、全然ちっとも役に立っていませんでした。
僕がとりわけポンコツだったから・・・と言うわけではなく、多分同じように感じている人も多いはず・・・。
既存のマーケティング社員研修の弱点
結論を言うと・・・
ほとんどのマーケティング研修では大企業が使うような難しい理論やフレームワークを学びます。
また、話としては面白いけど実際には参考にしにくい大企業の事例を中心に学んでいきます。でも、そんなものを学んだところで現場の肌感覚とは違いますし、多くの場合、「良い勉強になった!」と雑学が増えて終わりなのがオチでしょう。
フレームワークの使い方を学べば「マーケティング勉強した感」は出るかもしれませんが、使いこなせもしない小難しい戦略フレームワークを使って、ゼロから戦略を作ることを勉強しても、残念ながら現場では使えません。
本当はもっと根本的な基礎的な考え方だけあれば十分なんです。なのに、難しい理論と言葉で難しそうに教えるから、難しくて使えない学びになってしまいます。
これは日本のマーケティング教育の超課題だと思っています。
ハード面の整備
2つ目のポイントはハード面です。
ここで言うハードとは、どんな道具(マーケティングツール)を使うか?って話です。
先程の研修サービスも同じですが、大企業が使うような戦略フレームワークは正しいのかもしれませんが、使いこなせるかというのは全く別の問題です。

専門的知識が必要で、時間がかかり、共有できない(できたとしてもスグに忘れる)ような複雑なフレームワークというのは、全社員でマーケティング戦略を共有するには向いていません。
日頃、勉強している優秀な経営者・管理職の方々ならば、そういう難しいツールで共有することも出来るのかもしれません(多分ほとんどむり…)が、高度な専門知識のない一般社員が理解できなければ意味がありません。
そこで、オススメなのが僕が考案した『A4一枚で戦略が構築・共有できる戦略5原則』のようなシンプルに使えて、ブラッシュアップ可能なツールを使うことです。(ものすんごいポジショントークかましてるけど、かなり使いやすいのでジワジワ広がっています。)
もちろん、他にシンプルなツールがあればそれでもOKです。
ただの道具なので。
いずれにせよ、難しくて複雑なツールでは全社員にマーケティングを浸透させるなんていうのは無理!ということです!シンプルなものを使いましょう。
この記事のまとめ
色んな話が出てきたので、最後にサクっとまとめておきます。
- マーケティングとは全社で行うべきもの
- 戦略を考えるのは経営者の仕事
- それを実行するのは現場の仕事
- 現場の社員がマーケティングを知らなければ具現化できない
- ソフト面としては大企業の難しい理論ではなく、基礎的なマーケティング知識・マインドが必要
- ハード面としては難しく複雑なフレームワークではなく、シンプルで誰でも使えるツールが必要
・・・みたいなお話でした。