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戦略的マーケティングとは何か?シンプルに基本戦略と実行戦略の2段階で考えよう

定義・概念・構造の理解
定義・概念・構造の理解

どこを見てもマーケティングに関する様々な理論や手法・ツールが入り乱れ、もはやカオス状態・・・
独学でマーケティングを勉強してみても「今、どこの話しているのか?」「アレとコレはどう違うのか?」「どっちが優先なのか?」と不安や疑問に思っていませんか?

マーケティングの全体像(構造)を理解しておかないと、処理しきれない膨大な情報や、耳障りの良い手法や提案に流されて「行き当たりばったりなマーケティング活動」に陥ります。

そんなわけで今回はマーケティングの基本的な構造のお話です。
マーケティング戦略には大きく2段階のレベルがあるとザックリ理解してください。

学者のように厳密に理解しなくても、大きく2段階で考えれば実務レベルでは十分です!シンプルな2つの視点を押さえるだけで、マーケティングの迷子状態から抜け出せます。

こんな人にオススメ!
  • まず大まかに「マーケティングの構造」を理解したい方
  • 情報が多すぎて混乱して迷子になっている方
  • お勉強ではなくスグに役立つ実践知識が欲しい方

最初にマーケティング概念の全体像を把握しておこう!

…ということで、先ずは『マーケティング活動の全体像』から共有しておきましょう。こういうカタチのない概念を説明するときには、特に全体像から共有するのは大事ですよね。

上から下に流れていくので、上から順に見て下さい。

マーケティング活動の全体像(フルVer)
BUTAくん
BUTAくん

ちょ、ちょ、ちょっと待とか・・・!
ボクこれ、初めて見たで!?

Qちゃん
Qちゃん

お、ブタくん、こんにちは!
突然、現れたね。ごめん、ごめん💦マーケティングの構造の話をするなら、このページを読んでもらえばスッキリ爽快、ばっちり理解できると思うから、気になったら読んでみてね♬

というわけで、
初めて見た方はこちらの記事もオススメです。デジタルもアナログもすべて含めた全体像をすっきりシンプルに解説しています。ちなみに、いま見ている記事の内容は、この全体像を理解してなくても大丈夫です。

マーケティング戦略には大きく2つのレベルがある

では、本題に入ります。
マーケティング戦略は大きく分けて

  • 基本戦略(戦略的マーケティング)
  • 実行戦略(マーケティング戦略)

に分けることができます。

ちょっと見づらいけど、上のピラミッドみたいな図解の「緑のエリア」が基本戦略で、「黄色のエリア」が実行戦略にあたります。

ただでさえも、「戦略」とかいう難しそうな話なのに、「基本」やら「実行」やらピンと来ない言葉かもしれませんが、今は「マーケティング戦略って2段階あるんだぁ・・・」くらいの漠然とした感じで捉えといてもらってOKです。

なんで、わざわざ2つに分けているかというと、それぞれ役割・機能が違うからです。
ちょっと、そこらへんを掘り下げます。

BUTAくん
BUTAくん

へ~~~!なるほど~~
じゃ、なんかメンドくさそうだから、ボクは一旦帰るわ~

Qちゃん
Qちゃん

いやいや・・・待って待って!!!帰らないで💦
専門用語とか、ナントカ理論とか使わないで、分かりやすくしてるから。

基本戦略は「事業の方向性」の考え方

さて、最初は基本戦略(戦略的マーケティング)のお話です。

基本戦略の役割は、ざっくり言うと「どんな商売しよっかな~」っていう商売の大きな方向性を決めること。言い換えるなら、商売活動の基本的な部分を決めることです。だから、基本戦略です。

この範囲のマーケティングから考える整えていくことを『戦略的マーケティング』といいます。SNSや広告、ホームページなど目に見えるカタチのない概念的な部分です。

ここで考えるべきことは大きく3つあるんですが、今日は特に大事な2つを「コンサルタント」という商売を例に、考えてみましょう。

マーケティングの基本戦略は「方向性の考え方」

①誰に売る商売をするか?(Who)

1つ目は、Who(誰に)です。

コンサルティングの対象が、大企業相手なのか、中小企業か、個人なのかといった、『誰を相手に商売をするか』といったターゲット選定です。

マーケティングやブランディングを勉強されたことある人なら、おそらく聞いたことあると思いますが、どのお客さんを狙う(ターゲットにする)かというアレです。

②何を売る商売するか(What)

2つ目は、What(何を)です。

ココで言う「何を」というのはどんな価値(課題解決/欲求の充足)を提供するのか?ということ。
言い換えるなら、コンサルタントとして、お手伝いする内容は、集客なのか、人材育成なのか、営業なのかといった『何を売る商売をするか』というカテゴリーの選定です。

ちなみに「何を」と言っても、ここでは具体的な商品・サービスではなく、お客さんのどんな課題解決だったり、欲求の充足を商売にするかを考える段階です。(ちょっと難しい話になるので、端折ります)

Qちゃん
Qちゃん

基本戦略のまとめ
ここまでまとめます。「誰の」「どんな課題」に向けて商売を突き進めていくのか?という事業の方向性を決めるのが、基本戦略の役割になります。それによって、実行する内容がすべて変わります。

実行戦略は「具現化」のやり方(How)

続いて、実行戦略(マーケティング戦略)の役割です。

実行戦略の役割は、ざっくり言うと「どうやって価値を具現化してターゲットに届けようかな~」っていう基本戦略を実行するための方法論・やり方を決める戦略です。

・・・というのも、基本戦略にはカタチがありません。

基本戦略というのは単なる概念(考え方)であって、目に見えるものではないので、商売として成立しないからです。それを、具現化していくのが、実行戦略の役割となります。この範囲で考えることを『マーケティング戦略』といいます。(ややこしいですね💦)

で、具現化するためには、先程のピラミッドの下段(以下)のように「4つの要素」が必要です。
一般的に4P戦略と呼ばれる部分です。あまり用語は使いたくないのですが、かなり一般的に普及している言葉なので載せます。同じことを指していると思って貰えればOKです。

マーケティングの4P(戦術)※世間でいうマーケティングはこの考え方が強いがこれは戦術

複雑そうに見えて「うげっ…」ってなるかもしれませんが、1つずつ分けて考えると、全然難しくないので、同じくコンサルタントという商売で考えてみましょう。

①売り物:Product

まず、最初は具体的な商品・サービスの内容(コンテンツ)です。

例えば、集客コンサルタントなら「スポット相談」とか「Web広告改善コース」とか「月額顧問契約」とか、そういった具体的に提供する売り物を考えましょうということです。

商品・サービスといった「具体的な売り物」がなければ、お客様は何を注文して良いか分からず、買えませんよね。

②売り値:Price

次は、その商品・サービスの価格です。

「1時間2万円」とか「1コース30万円」とか「月額5万円」とか、そういった具体的な売り値や支払い方法など、価格に関することを考えましょうということです。

具体的な売り物があっても、それを幾らで売ってくれるのかという「具体的な売り値」が決まってないと、お客様は買えませんよね。価格が提示されていないと怖くて買えないもんね。

③売り場:Place

3つ目は、お客様との接点です。

実際にお客さんにアプローチ・提案をしたり、商品・サービスを販売する具体的な売り場を考えましょうということです。

具体的な売り物に、具体的な売り値がついていても、それをどこで販売しているのか「具体的な売り場」がなければ、同じようにお客様は買えませんよね。(いい加減、しつこいですねw)

④売り方:Promotion

最後は、お客様への情報提供です。

「1時間2万円のスポット相談」、「1コース30万円のWeb広告改善」、「月額5万円の顧問契約」を福岡市内で販売しまーす!って自分の中で具体的に決まっていても、お客様がそのことを知らなければ買うことができませんよね。

また、知ってもらったとしても、それが自分にとって「どんな良いものなのか」ということが伝わってないと同じようにお客様は買えませんよね。てか、買いませんよね。

だから、どんな媒体(ホームページ・チラシ・看板・SNS・広告とか色々)でどんな内容を伝えるか考えて発信して知ってもらいましょう!ってことです。※ちなみに世の中の「〇〇マーケティング」のほとんどがココの話。

4P=マーケティング・ミックス

ちなみに、4P戦略と言うのを初めて聞いたよ!って人のために簡単に説明しときます。(いまさらだけど)

この4つの英語の頭文字をとって、「4P」もしくは「4Ps」と言われます。

  • 売り物:roduct(商品・サービス)
  • 売り値:rice(価格設定)
  • 売り場:lace(顧客接点)
  • 売り方:romotion(情報提供)
Qちゃん
Qちゃん

実行戦略のまとめ
基本戦略の段階ではまだ概念でしかなかった「事業の方向性」を、お客様に届けらえるようにカタチにする段階です。この「4つの要素」について実行していくことになります。

この4つは、1つ欠いても商売として成り立たなくなるので、すべて必要です。

ただし、漠然とあれば良いわけではなく、それぞれが連動して同じ方向性に向けて噛み合っていく必要があります。その状態のことを「マーケティング・ミックス」と言ったりしますが、別に覚えなくても大丈夫です(笑)

どうしても興味ある方は、【図解】4P分析・マーケティングミックスの必要性・事例を分かりやすく解説という記事がおすすめです。

この記事のまとめ

いかがでしたか?
この記事では、「基本戦略=戦略的マーケティング」と「実行戦略=マーケティング戦略(4P)」についてみてきました。

わざわざレベル(階層)を分けている理由は、役割・機能が違うからでしたね。「考え方」と「やり方」が違うのはヘンですよね?方向性に沿って、行動しないと失敗します。

USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)をV字回復させた立役者として知られる森岡毅さんは、『狭義のマーケティングが会社をダメにする』と著書で、下段のマーケティングだけを行うことの危険性について提言されています。

気になる方は、森岡氏曰く、狭義のマーケティングが会社をダメにする!?をご参考ください。

同時に考えることはあっても、頭の中でこの階層(レベル)の違いを理解しましょう。SNSや広告や商品設計で、どこかがズレている場合には、基本戦略がズレている可能性が高いからです。

特に基本戦略は、カタチのない概念の状態なのですっ飛ばして目に見えるツールやノウハウに走ってしまいがちなので、しっかりと基本戦略も意識しながら、楽しくマーケティング戦略をつくりましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。では、また!

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